2012年07月30日

P6道とは打ち込むことと見つけたり

N6XBasicCheckerもひとまずリリースできたという事で、せっかくなのでプログラムの打ち込みをしてみましょう。
昔はベーマガの誌面をカッターで切り取って、赤線付きの棒ルーペを当てて打ち込んでいましたが、エミュレータの登場により、プログラム打ち込みのワークフローは全く変わってしまいました。

今回は私のプログラム打ち込み手順を晒しておきたいと思います。

・リストの入手
 まずはプログラムが掲載されている誌面の調達が必要です。
 当時の雑誌を持っている人は問題ないですが、そうでない人は国会図書館で複写しましょう。
 国会図書館で複写を申し込む際は、理由欄に用意されている「調査研究の要に供するため」にチェックを入れる必要があります。
 「何の研究ですか」と聞かれたら「考古学です」と答えることにしていますが、聞かれたことはありません。
 
・裁断
 国会図書館でB5の雑誌を複写すると、B4の見開きで出てきます。
 B4が読み取れるスキャナをお持ちのお大尽はいいですが、家庭用のスキャナは大抵A4なので、半分のB5に裁断する必要があります。
 国会図書館にも裁断機はありますが、裁断したものをページ順に並べ替えるのに、両手に指サックをはめて1枚ずつ交互にピックアップして積んでいく必要があります。これは結構時間がかかる作業なので、自分は裁断は持ち帰ってから行います。こんな面倒臭いことやってる自分はひょっとしたらアホかもしれないので、もっと簡単な方法を知ってる方は教えてください。
 
 レバー式のペーパーカッターは重くて置き場所を取るのと、うちは小さい子供がいて危ないので、ディスクカッターを使っています。これでも50枚くらい一気にいけます。軽いので使わない時は箱に入れて部屋の隅に立てかけておけます。
カール事務器 ディスクカッター DC-210N / カール事務器

・スキャン
 スキャンできるサイズに裁断したら、スキャナにかけます。
 フラットベッドスキャナでも出来なくはないですが、せっかくなのでADF付きのスキャナを調達しましょう。
 私は家の事務の都合で複合機を購入した際、ADF付きのものを選びました。
 スキャン性能や使い勝手は専用機に劣るかもしれませんが、35枚まで一気にスキャンできます。
 こいつでリストを600DPIのモノクロJPEGとして保存します。
Canon インクジェット複合機 PIXUS MX893 自動両面対応ADF搭載 FAX付 有...

・補正
 画像の補正はOCRソフトでもできますが、私はscantailorというソフトを使っています。
 scantailorはオープンソースの自炊支援ソフトで、Linux,Windowsその他で動きます。
 傾き補正、余白切り取りなどをほぼフルオートでやってくれます。
tailor.png
 最終的には白黒TIFFで出力しますが、この時に黒を厚くし、文字を太らせておきます。
 当時のドットマトリクスや熱転写プリンタはドットが荒く離れ離れになりがちですが、つながっていたほうが認識精度が気持ち上がります。

・OCR入力
 私は複合機にバンドルされていた読取革命Liteを、アップグレード版のパッケージを購入してフル版として使っています。 
 フル版のほうがレスポンスが良く、UIの細かい所の操作性が向上しているように感じられます。
yomitori.png
 認識の前に予め文字種を限定しておきます。「記号」にチェックを入れておくとギリシャ文字なども候補に入ってしまうため、半角記号はユーザー定義で定義します。
setting1.pngsetting2.png
 ダンプリストを入力する場合、0-Fと、コロン、ハイフン等のみ登録しておきます。

・チェック
 ここでN6XBasicCheckerの出番ですよ!
 テキストファイルとして保存したリストをN6XBasicCheckerにかけて、指摘されたエラーを修正していきます。
 これで少なくともプレイ中に?SNErrorに遭遇することはないはずです。

・レッツ・プレイ!
 修正が終わったリストをtxt2basでテープイメージに変換して動作確認をします。
 最終的に残った実行時エラーはここで潰します。
 PLAY文は現在のチェッカーではチェックできないので、GOTOなどでその部分だけ予め実行してチェックします。

ダンプリストの場合はbin2ihexを使って変換します。
PiO形式のリストはブロックチェックサムがあるので、それほど苦労しないと思います。PCマガジンのリストはまだ打ち込んだことがないけど大変そう。
以前Toiyaarを打ち込んだ際、14ページ分のリストはおよそ1週間、10時間程度で打ち込めたと思います。
500行未満のリストはスキャナを使わず直接打ち込んだほうが早いかもしれません。

つまり何が言いたいかって言うと、打ち込みの生産性が上がったんだからみんなプログラムを打ち込もうぜ!ってことです。
posted by eighttails at 23:53| Comment(3) | PC-6001 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 OCR の読取革命Lite って使い勝手よさそうですね。

 私が使っているのは、スキャナに付いていたOCR (e-Typist)をアップデートしたんですが、文字種とかが指定できないようです...と思っていたんですが、今調べると文字種類が選べた orz

 PCマガジンのは半分以上入力しましたが、BASIC が少ないので打ち込むのはだいぶラクですよ〜(BASICが少ないのを選んでるだけかも)。
 チェックサムは、アドレス込みの単純足し算の3桁だったと思います。

 ゲームを入力するのでお勧めなのは、PCマガジン、ログイン、PiO の3誌でしょうか。
 PCマガジンは、市販のソフトが掲載されている事が多いのが特徴。
 ログインは、プログラムコンテスト入賞作品なので、内容がいいです。
 PiO は、とにかくゲームの数が多い(^^;

 また、いずれもバグが割りと少ない方です(PiO はちょっと多い)。バグ情報は目次だけでは確認できないので、遠隔複写の時はやっかいです。

Posted by えすび at 2012年08月02日 01:18
古い雑誌掲載のプログラムは、もうお目にかかる方法が無いと思っていたのですが、なるほど、国会図書館という方法があったのですね。

いずれ機会があった時に、行ってみたいと思います。
Posted by おそら高級長靴店 at 2013年03月04日 06:10
>えすびさん
あれ、コメントいただいたの半年くらい前ですね。
気が付きませんでしたw
PCマガジン掲載作を半分ってまた変態ですね。ブログ開設前に何年くらいP6触ってたんですか?

おそら高級長靴店さん
コメントありがとうございます。
古雑誌・古技術書は東京近郊だと
・国立国会図書館
・神奈川県立川崎図書館
・都立多摩図書館
の3館が充実してます。
国会図書館は品揃えが充実していますが、雑誌は何ヶ月分かまとめて製本されているので、コピーが歪むことが多いです。
国会図書館にない雑誌に関しては多摩図書館が補完になります。ムックや別冊のたぐいは多摩の方が充実してます。コピーもこっちのほうが綺麗なので、蔵書にある物に関しては多摩のほうがお勧めです。
Posted by eighttails at 2013年03月04日 23:07
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: