今回は落札した1986年の記事から、レトロPCerが釣れそうな記事を抜粋して紹介したいと思います。
(レトロPCったって、当時は最先端なわけですが。)
■デジタル特集
パソコンの活用法を紹介した記事です。
モデルの子を使ってミュージシャンになりきらせるとか、いかにも子供雑誌らしいと言えばらしい企画です。(4大マイコン誌がやらなさそうだという意味で)
使用しているパソコンは全てMSXですが、創刊当時(1983年頃?)はM5推しだったという情報をTwitterでいただいています。



■ジョイパッドでキャラクターを動かす
HITBITと付属のジョイパッド、ロードランナーを題材にしてキャラクターが動く仕組みを解説しています。
最後にジョイスティックのカタログが掲載されています。これを見ると、現在の左スティック右ボタンがまだ主流になっていなかったことが伺えます。



■LOGOでレゴを制御
MINDSTORMSが出る前の記事ですね。MSXからLOGO経由でレゴを制御しています。


■ファミコン特集
1986年8月号で大々的に組まれた特集です。
ディスクシステムの仕組みの解説、ゲーム開発者インタビュー、ゲームソフトカタログ、ファミリーベーシック版プログラム道入門と盛りだくさんの内容でした。


ゲーム開発者インタビューは、ハドソンの「忍者ハットリくん」のスタッフに読者がインタビューするという体裁でした。
フルネームが出ていないのですが、プログラマーの奥野さん、デザイナーの岡本さん、音楽の板垣さんが登場していました。板垣さんってイタサンドリアスの人でしょうか?

ゲームソフトカタログによると、ポートピア連続殺人事件とロードランナーはアダルトゲームだそうです。

■カタログ、広告
パソコン関連の広告はほとんどがMSXでしたが、HITBIT、PASOPIAIQ、YAMAHAなど多数のメーカーから広告が出ていました。




当時はワープロ専用機もまだ花ざかりで、外字機能を使ってイラストを描くなどの記事も書かれていました。

■遠藤雅伸氏登場
86年5月号の「ヨッコにおまかせ」という著名人インタビューコーナーで遠藤雅伸氏が登場しています。
「隠れキャラを見つけるには?」という問いに「まずはプログラムを読むこと」という豪快な解答をされています。

最後に「今開発中のゲームは2年前から構想を練っていたもの」と書かれていますが、この時期だとリターンオブイシターでしょうか?
■くもんわんだあすくーる
「人工知能コンピュータによる初めての幼児学習システム」とのことです。
「メカランド」でも解説されており、エキスパートシステムでもって対話的に学習できるシステムという事のようです。
この手のデジタル学習システムの常として、専用ハードとコンテンツで月々9900円という、なかなかアレな価格設定ですが、これでもペイしてるかどうか厳しいものがある気がします。
コンテンツの製作は(ハードも?)セガが担当しており、クオリティは高そうではあります。


■その他の小ネタ
・ザナドゥが情報コーナーで紹介されており、読者プレゼントもされています。

・電子工作の通信講座です「ファミキチ」というフレーズがなんかツボに入りました。

・アスキーのパソコン神社が紹介されています。

・ハイドライド、ゼビウス、スーパーマリオ、パックマンの4本の中から予算の都合で2本しか買えない場合、その2本の組み合わせ数を求める問題。ハイドライドとゼビウスの一択だから1通りですね。

・竜馬くんです。がんこ職人なんてのもいましたねえ。竜馬くんのほうが印象に残ってるのは、源平討魔伝に出てきたからですかね。

・高橋名人と毛利名人の「GAME KING」が紹介されています。「シューティングゲームの興奮が爆発するよ」と書かれていますが、スイカも爆発します。

・CG関連ネタ2点。川口洋一郎氏のインタビューが掲載されています。
ひょうきん族のCGって、当時のテレビCGとしてはクオリティ高かったですよね。


・80年代の時計はマイコンやセンサーが内蔵されて、ゲームが遊べるものや腕コンなど、万能機械としての期待が膨らむ時代でした。今は情報処理はモバイルデバイスに持っていかれて、電波+ソーラーによってメンテナンスフリーで正確な時計というシンプルな完成形に落ち着いたというところが感慨深いです。

私は86年に父がPC-6601SRを買ってベーマガを買い始めるまでパソコン雑誌を読んだことがなく、ナイコン時代にパソコンについて興味を持ったのはやはりくもん教室で読んでいたコペル21の影響が大きかったのだと改めて思いました。
しかしコペル21も学研の科学もない今、うちの子供に科学に興味を持ってもらうには何を読ませたらいいのだろうと悩んでいたのですが、「子供の科学」がまだ残ってたんですね。
というか「子供の科学」って子供の時から最近になるまで全く存在を知らなかったのですが、今でも電子工作を扱っていたりなかなか骨太な雑誌ですね。厚いし。
ありがとうございます。
おっさんの"許せん"というコーナー
をもう一度見てみたいものです。