2018年06月09日

雑誌掲載作品レビュー(23)「ステレオ版ダライアス」

今回のお題は「PC-6001・6601プログラム大全集」掲載の「ステレオ版ダライアス」です。

本作品はゲームではなく音楽演奏プログラムです。
ベーマガの本誌では投稿ゲームコーナーの後ろに「ザ・ゲームミュージック・プログラム・コーナー」があり、アーケードゲームのBGMを耳コピしてPCで演奏するプログラムが掲載されていました。
P6は初代機からPSGを搭載しており、またSRはFM音源も搭載していたことから投稿数が多く、86年から87年にかけてミュージックコーナーの常連でした。
本作品もそちらに向けての投稿と思われますが、リスト数が多く紙面の制約上、また再生環境がマニアックなため本誌に載せられず別冊行きになったと思われます。

DARIUS1.JPG


さて本作品の最大の特徴ですが、「ステレオ版」と銘打ってあるとおり、「本来モノラル演奏しかできない66SRを2台並べて、それぞれに右チャンネル、左チャンネルのパートを演奏させることでステレオ演奏を実現する」というなんとも酔狂な試みをしていることです。
そして2台の演奏を同期するための手段が、「1台の赤外線キーボードから2台の本体に対して同時に演奏開始の合図となるキー入力信号を送る」という、これまた酔狂なアイデアが採用されています。

つまり同じモード6でもmk2SRではダメで、あくまで66SR2台でなければならないのです。
そして私が所持している66SRの実機は本体が2台でキーボードが1台、つまりこの作品を動かす必要十分条件にピッタリハマるわけです。
これは実機が動くうちに動画を残しておくべきだろうと考え、プログラムを打ち込み、一晩かけて実機のセットアップと動画の収録をしました。

ご覧ください。



打ち込んでみた感想ですが、その前に現代に於いて66SRの実機を2台同時に動かすというのがいかに困難かということを綴らなくてはなりません。
P6は初代機、mk2、6601はコンポジットビデオ出力があり、現代でもまだモニタに困ることは少ないのですが、SRは標準ではRGB出力しかなく、純正モニタが手元にない場合何らかの変換手段を通してモニタに映す必要があります。さらにその変換手段及びモニタも2組必要です。
1台は西田ラヂオさんのRGBコンポーネントアダプタを経由して家庭用テレビに、もう1台は大昔に作成したRGB信号変換アダプタ+FRAMEMEISTER+小型HDMIモニタの組み合わせで出力しました。
これだけ大掛かりな構成になると自室にはスペースがなく、家族が外泊した日を使ってリビングに展開せざるを得ず、セットアップ、収録、撤収で一晩鉄矢徹夜する羽目になりました。
DARIUS2.JPG

さて、音楽演奏プログラムとしての出来ですが、常連投稿者の作品なのでうまくまとまっています。まとまっているのですが、、、。
ずれます
演奏していくうちに左右の発音タイミングがずれていくのです。打ち込みミスには最大限注意を払っているのですが、どうしてもずれる曲があります。
また個体差やキー入力のポーリングタイミングなどの要因で、左右同じパートを演奏している場合でもずれることがあります。
また、私はアルファ・レコード版のサントラしか持っていないのですが、それとは似ても似つかないフレーズが複数箇所見受けられます。
意図的なアレンジなのか私の打ち込みミスなのか分かりませんが、一つ一つのリストは長くなく、また見直しは可能な限りしているので、ぶっちゃけ「左右別々にデバッグ、調整した後マージするのを忘れて投稿してしまった」物もあるんじゃないのかなあと想像してます。66SR2台なんて、編集部にも検証環境があったかどうか怪しいと思ってます。

動画収録の時間的、体力的制約もあって打ち込みが完全だとは断言できないのですが、今後見直す機会があったとしても実機2台構成での収録はもう二度とやらないと思います。疲れた…。
posted by eighttails at 21:58| Comment(0) | 雑誌掲載作品レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。