かなり前になりますが「子供雑誌から見たレトロPC」という題でコペル21を取り上げ、子供雑誌におけるマイコン、PCの取り上げられ方を紹介しました。
子供雑誌とマイコンの関わりについては他にも調べて見たいとは思っていたのですが、コペル21以外でコンスタントにマイコンを扱っていそうな子供雑誌というと「子供の科学」くらいしか思いつきませんでした。
子供雑誌とマイコンの関わりについては他にも調べて見たいとは思っていたのですが、コペル21以外でコンスタントにマイコンを扱っていそうな子供雑誌というと「子供の科学」くらいしか思いつきませんでした。
子供の科学は1924年に創刊され、現在は誠文堂新光社から刊行が続いている、文字通り子供向けの科学雑誌です。現在小学生の私の息子も愛読しています。
最近はraspberryPiでScratchを使った連載をやっています。今年は特にメイカームーブメントにスポットを当てており、CADや3Dプリンタの特集が組まれたりしています。
最新号ではスマホ用VRゴーグルが付録で付いてくるなど、なかなか攻めた内容の雑誌です。
最近はraspberryPiでScratchを使った連載をやっています。今年は特にメイカームーブメントにスポットを当てており、CADや3Dプリンタの特集が組まれたりしています。
最新号ではスマホ用VRゴーグルが付録で付いてくるなど、なかなか攻めた内容の雑誌です。
実に100年近い歴史があり、マイコンの事も黎明期から見てきたはずです。今回は都立多摩図書館で1979年以降の誌面からマイコン記事を探してみました。
調べてみて分かった事は、電子工作やアマチュア無線の記事はふんだんにありながら、マイコンを記事として取り上げたのは意外と遅かったという事です。
子供の科学史上最初のマイコン記事は1982年1月号の特集「マイコンなんてこわくない」だと思われます。
コンピュータとは何かというところから入って、コンピュータの動作原理や社会との関わりなどを10ページに渡って解説していくという総論的な記事です。
特定のハードやソフトの製品名は出てきません。座学の講義のような内容です。
そして2ヶ月後の1982年3月号に「ぼくらにぴったりのパソコンJR-100」という単発の記事が掲載されます。この時にはもうマイコンではなくパソコンと呼んでいます。
これまでベーシックマスター、PC-8001、MZ-80、そしてPC-6001等々をスルーして最初に取り上げた機種はなんとJR-100です。
1982年までマイコンの扱いには慎重を貫き、しかもファミリー、ホビー向けが強く打ち出されたPC-6001(89,800円)をスルーしてJR-100(54,800円)を選んだということは、編集部は子供が買ってもらえるラインは5万円台と見定めてその価格帯の機種が出てくるまでじっと待っていた、のかもしれません。(ちなみに現在の子供の科学では読者通販で10万円の3Dプリンターを扱っています。)
1982年までマイコンの扱いには慎重を貫き、しかもファミリー、ホビー向けが強く打ち出されたPC-6001(89,800円)をスルーしてJR-100(54,800円)を選んだということは、編集部は子供が買ってもらえるラインは5万円台と見定めてその価格帯の機種が出てくるまでじっと待っていた、のかもしれません。(ちなみに現在の子供の科学では読者通販で10万円の3Dプリンターを扱っています。)
そしてさらに3ヶ月後の1982年6月号で、このJR-100の記事は「パソコン・マスター」という題名で連載化します。
内容はキーボードの入力の仕方、BASICプログラミングなど、やっと子供自身がパソコンを使って実践する内容にシフトしていきます。
内容はキーボードの入力の仕方、BASICプログラミングなど、やっと子供自身がパソコンを使って実践する内容にシフトしていきます。
前年の「マイコンなんてこわくない」と同様の総論的な記事ですが、より家庭向けの「パソコン」にフォーカスした内容になっています。
パソコンQ&Aコーナーや用語辞典も設けられ、かなり記事の構成がこなれてきた感じがします。
パソコンQ&Aコーナーや用語辞典も設けられ、かなり記事の構成がこなれてきた感じがします。
ここで初めて、JR-100以外の各社パソコンのスペック比較表が掲載されます。取り上げられているのはMZ-700、JR-200、FM-7、PC-6001、FP-1100、PASOPIA、M5、ぴゅう太でした。
翌月1983年5月号からは「SORDのM5を使ったパソコン入門教室」が始まります。同年創刊のコペル21でも初期はM5を扱っていました。MSXが出てくるまではM5のプレゼンスがそれなりに高かった事が伺えます。
子供の科学は今自分の子供が読んでいるので興味を持ちましたが、自分が子供の当時は名前を聞いた記憶もほとんどありませんでした。
当時は学研の科学やコペル21など他にも読む物があってそこまで気が回ってなかったんだと思います。
が、今こうして誌面を見てみると、戦前から続く雑誌とは言え、1983年でこのカットやデザインのセンスは古いんじゃないでしょうか。(同誌の名誉のために言っておくと現在は普通にDTPが使われ現代的なデザインの誌面になっています)
コペル21の86年の誌面はこちらで紹介していますが、83年の創刊時点でもこれくらいのクオリティのデザインで誌面を作っており、こちらを見慣れていた当時の自分は子供の科学を手に取っていたとしても興味を持たなかった気がします。
雰囲気としては初期のベーマガに近いですが、あちらはスーパーソフトマガジン以降ゲーム紙の色が濃くなり誌面も多少はオシャレに変わっていきました。
この後子供の科学の誌面がどう変わって行くのか興味は尽きないのですが、ここまで調べた所で図書館の滞在時間のリミットが来てしまいました。この続きはまたの機会に。