今回のお題はPiO1986年8月号掲載の「TOISE」です。
ゲームの内容は固定画面のアクションパズルに分類されると思います。
プレーヤーは亀保護委員会のメンバーとなり、絶滅危惧種の亀が生む卵を保護施設まで持ち帰ることが目的です。
ゲームは固定画面で、画面上にはプレーヤー、亀、モンスター、蛇、カギ、門、家(保護施設)があります。
亀は画面内をうろつきまわっていて、時々卵を産みます。
・カギを取る
・亀が産んだ卵を家の近くまでもっていく
・カギで門を開ける
・卵を家までもっていく
となります。
また、門を開けた後で蛇またはモンスターに家に入られてしまうとミスになります。
そのため、門はクリアの直前に開けないといけません。
プレーヤーはスペースキーを押すと電撃を出すことができ、モンスターをしばらくの間足止めすることができます(蛇には効きません)。
使うごとに点数が20点減点されるので、ゲームスタートしたらまずカギを拾って(50点)電撃を使えるようにする必要があります。
2面以降は十分に点数がたまっているのでクリアだけを目的にするなら点数はあまり気にする必要がありません。
また、亀が産んだ卵はある程度の時間が経過するとフルーツに変化し、これを取ることでも得点になります。
このゲーム、メインはマシン語で組まれていてスピードが速いのはいいのですが、ゲームとしてはいろいろ問題があります。
編集部のレビューでは「卵がすぐに変化してしまって難しい」という評が付いていましたが、問題点の本質はそこではないと考えています。
モンスターの動きはそれなりにまともなアルゴリズムで追いかけてくるのですが、それ以外のキャラクターの挙動、具体的には
・亀の動き
・亀の産卵のタイミング
・蛇の動き
・卵がフルーツに変わるまでの時間
おそらくこれらがすべてランダムです。
卵は押すことはできるが引くことはできないといういわゆる倉庫番方式なので、ゴールから逆算すると卵をゴールに持っていくことが可能な位置というのは限りがあって、その範囲内に卵を産んでもらわないとクリア不可能な点、またせっかくゴールに持っていける場所に卵を産んでも亀が同じところを通るとその卵を回収してしまうので、ゲームが一向に進行しない、また動画を見ていただけるとわかると思いますが4面などでは亀が袋小路から出てこないという事が起こります。
キャラクターの動きがランダムというゲームは数多く存在しますが、過去に取り上げた作品でも「Caffo」や「SEA LAND STORY」などでは乱数の出目が良くなるまでゲームが進行しないという事が発生しがちだったので、乱数に頼るとゲームとして動いてるように見えるまでの実装が楽になる半面、ゲームバランスをとるのが難しくなるという諸刃の剣のように感じます。
アクションパズルとして作るなら、ロードランナーなどのように再現性を担保したアルゴリズムにするか、反射神経で押し切れるようなゲームデザインになってる必要があるんだと思います。
かろうじて戦略性が生まれていると言える点は、卵やフルーツを敵は通過することができないのでそれらをモンスターの足止めに使えるという点くらいです。
かろうじて戦略性が生まれていると言える点は、卵やフルーツを敵は通過することができないのでそれらをモンスターの足止めに使えるという点くらいです。
動画を撮りましたので、こちらもご覧ください。