今回のお題はマイコンBASICマガジン1989年1月号掲載の「VITAL LAMP」です。
内容はテキスト画面のロールプレイングゲームです。
このゲームはHashiさんのページでダウンロードして遊ぶことができます。
ゲームの作りとしては、作者自ら「タイニーRPG」と称しており、
・戦闘とレベル上げを主体とした内容
・主人公の名前を最初に入力し、以降その名前で呼ばれる
・ランダムエンカウントで、「攻撃」「呪文」「逃げる」というコマンドのターン制の戦闘
等の特徴を持つ、基本的にはドラクエ1を下敷きにした読者投稿RPGの典型ともいえる作品です。
その他の特筆すべき点としては色々あるのですがとにかく地味です。
1.テキストベースなので動作が軽い
P6のモード5では特に遅いグラフィックを使用せず、テキストのみの画面構成になっています。
また、マップの描画、スクロールにはマシン語を使用しており、ストレスなく移動することができます。
2.多少の謎解きやイベントが存在する
グラフィックに容量を使わなかった分、テキストの情報量が比較的多めで、謎やイベント、中ボスなども少ないながら盛り込まれています。それでもプログラムは2870行と、ベーマガに掲載できる限度ギリギリの長さです。
3.バランスが良く、ハマりがない
自分と敵の強さの上がり方のバランスが良く、敵が倒せなくて詰むという事がありません。
また死んでもペナルティはドラクエ同様所持金が半分になって、その大陸にある街や城に戻されるだけです。弱くなったりアイテムが失われるといったこともないのでアグレッシブに攻略できます。
死んだ場合「その大陸にある街や城に戻される」というのがポイントで、大陸間の移動は中ボスをがいる洞窟を通る必要があるわけですが、倒せたとしても洞窟を出るときには瀕死の状態になっている場合が多く、新しい大陸に着いた後町に到着する前に死んでしまうことがままあります。その場合何と「その先にある町で復活する」のです。
ゼビウスでエリアの70%を超えてやられると次のエリアに進むというルールがありますが、RPGでは珍しいパターンです。なので次の街にたどり着くのではなく洞窟を出ることを目標に攻略していい訳です。
そういう意味でこの当時のベーマガで山下章先生が提唱されていた「ストレス値」が非常に低いゲームです。
割と何も考えずに戦闘とレベル上げをしているだけでもクリアできる(しかも1時間程度で)ので、ストレスをためずに色々な意味で快適に遊べます。
ちなみにクリアの目安は大体レベル20あればぎりぎり勝てます。
とにかく地味なゲームなのですが隠れた良作だと思います。